訪問者が来た際、どの席に案内すべきか迷ったことはありませんか?
日本の家庭では「上座」と「下座」の概念があります。
訪問者が来たときは、マナーとして上座に案内するのが一般的です。
自宅の上座は、その部屋で最も格式の高い席を意味します。

訪問者には、この上座を提供することをお勧めします。
家族や友人の突然の訪問があった場合でも、慌てず落ち着いて迎え入れたいものです。
慌ただしく迎えると、訪問者が迷惑をかけていると感じたり、歓迎されていないと感じることがあります。
今回は、訪問客を迎える際の適切な座席の選び方とマナーについて詳しく解説しますので、是非参考にしてください。
来客時にリビング・ダイニングテーブル・和室で案内する座る場所は?


リビングでの客の座席配置について
現在の住宅では、和室が設けられていない家も少なくありません。
ゲストを洋室のリビングに招いた場合、どの位置が上座かは重要な問題です。
リビングにソファが設置されていない場合、通常、部屋の入口から最も遠い場所が上座とされます。
しかし、ソファがある場合には、そこにも座る位置のエチケットが存在します。
ソファと一人掛け椅子が共にある場合、ソファが上座に設定されることが多いです。
訪問者には、そこに座ってリラックスしてもらうように案内しましょう。
一方、入口に最も近い席は下座となり、主催者が座るのに適しています。
ここからは動きやすいため、飲み物を出すなどのホスピタリティを提供する際に便利です。
このように席次を設定することを覚えておくと良いでしょう。
ダイニングでのゲストの座席配置


ダイニングテーブルでのゲストの座席位置は、入口から最も離れた、広々とした椅子の位置を上座として案内します。
もしゲストが数人で、長方形のテーブルを使用する場合は、テーブルの長辺に沿って、中心を最も重要なゲストの座席とし、左右に次に重要なゲストを配置すると効果的です。
テーブルの配置がこれに合わない時は、最も重要なゲストが周りの会話を容易に聞ける中央部に座ることもあります。
その際には事前に説明し、適切にゲストを案内してください。
和室でのゲストの座席位置


和室でゲストを迎える際には、床の間に最も近い席を上座として用意します。
もし床の間がない和室でも、入口から最も遠い席が上座になります。
複数のゲストがいる場合は、床の間に最も近く、入口から最も遠い位置に最も重要なゲストを座らせ、その隣または向かいが次に重要な席になります。
また、入口に最も近い位置は下座とされ、主催者や動きやすい位置にいる人が座ります。
もしテーブルが設置されている場合は、ダイニングルールに従い、床の間を背にした配置で中央を一番の席とし、その両側を次の席とします。
床の間は通常、和室で最も格式のある場所に設けられています。
床の間が出入口の隣にある特殊な配置の場合は、入口から遠い席を上座とし、そこに最重要のゲストを案内します。
どの席がお客様にふさわしい?上座と下座の決め方



上座と下座は、日本特有の席次の文化であり、座る位置で敬意を示します。
上座は部屋の中で最も優れた席であり、そこに座ることでお客様への尊敬を表します。
この席は訪問者がリラックスして過ごせるように意図されています。
上座は通常、部屋の入口から最も遠い位置にありますが、和室では床の間の前が上座になります。
一方、出入口近くの席は人の出入りが多く、落ち着きにくいため、下座とされます。
座席の種類によっても上座の位置が異なり、広々としたソファーや肘掛け付きの椅子が優先されることが多いです。
具体的には、ソファが最も優れた席で、次いで肘掛け付きの椅子、そしてシンプルな椅子が続きます。
スツールのようなシンプルな席は最も下座に近い位置となります。
複数のお客様が訪れた場合は、年齢や地位に応じて席を割り振ります。
下座は上座の反対側で、入口に最も近い位置であり、ここは動きやすいため、ホストが座るのに適しており、お茶の準備や出迎えなどの役割を担います。
訪問者が来た時の心得とマナー





訪問者を迎える際は、座席のマナーだけでなく、その他にも注意すべき点があります。
ゲストが快適に過ごせるよう、日常から心がけておくことが大切です。
室内の温度調整
来客前にはエアコンで室温を適切に調整しましょう。
また、部屋の臭いにも注意が必要です。
気が付かないうちに、思ったよりも強い臭いが残っていることもあります。
トイレと洗面所の清掃
トイレの清掃は便座の裏や便器の掃除に加え、トイレットペーパーも新しいものに替えましょう。
洗面所では鏡を磨き、洗面ボウルの髪の毛を確認し、ハンドソープとタオルも新しくすることが重要です。
来客の準備
ゲストが到着する前にスリッパや食器、お茶の用意をしておくことで、慌てずに迎えることができます。
迅速な応対
インターホンが鳴ったら、ゲストを待たせないようにすぐに対応しましょう。
玄関での迎えには、コートや荷物を預かり、傘立てを用意して雨の日の傘の管理も行います。
ゲストをお部屋に案内したらお茶を用意
挨拶を交わした後は、ゲストに合わせたお茶を提供します。
親しい間柄なら、お茶の好みを尋ねてから準備することも可能です。
ゲストから手土産をいただいた場合は、感謝の言葉を述べてから、適切な場所に置きましょう。
通常は床の間や上座が適しています。
また、お茶を準備する際には手土産も一緒に持ち運び、ゲストの帰宅まで放置しないようにしましょう。
お見送りの前にお礼を言ってから玄関へ
ゲストが帰る際は、玄関でのお礼ではなく、室内で感謝の言葉を伝えましょう。
その後で、預かっていたコートや荷物を返します。
お客様を送る際は最後まで丁寧に
お客様を玄関外までお送りし、視界から消えるまで見守りましょう。
もし「ここで結構です」と言われた場合は、「こちらでお別れさせていただきます」と返し、礼儀正しく見送ります。
ただし、ゲストが立ち去った直後にドアを閉めたり、灯りを消すのは避け、見えなくなるまで待つようにしましょう。
まとめ



訪問者を迎える際の席次やマナーについての要点を整理します。
- 「上座」は通常、入口から最も遠い位置にあり、もし床の間がある場合は、その最も近い位置がゲストに割り当てられる席です。
- 「下座」は出入口に最も近い席で、ホスト側が座ることが一般的です。
- 複数のゲストがいる場合、年齢や地位が高い人から順に、一番手、二番手、三番手として席を配するのが基本です。
- 横一列に席を配する場合、中央が最優先席で、その左右を次に重要な席とします。
基本的にはこの配置ルールを覚えておくことで、大きな間違いは避けられます。
ただし、上座がエアコン直撃などで不快になる可能性がある場合は、「エアコンが直接当たるため、こちらの席がよろしいですか」と事前に説明し、適宜席を調整することが望ましいです。
また、ゲストを迎える際は、清掃なども含め事前の準備を怠らないことが重要です。
初めはマナーを覚えるのが難しいかもしれませんが、慣れてしまえばスムーズに行動でき、お互いに快適に時間を過ごすことができます。
大切なゲストを心からもてなす姿勢が伝わるよう心掛けましょう。