フライ料理は、手軽なようでいて意外と難しいものです。
特に衣が剥がれやすいという問題は、多くの人が直面する課題の一つです。
今回は、フライの衣が剥がれにくくするコツと、お店のような厚い衣を再現する方法をお伝えします。
フライの衣が剥がれやすい理由とは?
主な原因~肉の場合
フライの衣が剥がれる主な理由として、肉の繊維が関係しています。
加熱によって肉が縮むと、衣もそれにつられて剥がれやすくなります。
特に肉のフライ、例えばトンカツの場合、「筋切り」を事前に行うことで衣の剥がれを防げます。
さらに、トンカツにはロースやフィレなど筋が少ない部位が適しています。
それに対して、筋の多い肩ロースなどは高い技術が求められるため、小さくカットして調理することが望ましいです。
フライで衣が剥がれる共通の原因
肉以外の素材でも、フライの衣が剥がれることがあります。
以下のポイントに注意してください!
小麦粉の適切な使用
最初に小麦粉をまぶす際、過剰に付けると衣が剥がれやすくなります。
適量をつけた後は、余分な小麦粉を軽く叩いて落とすことが重要です。
パン粉の正しい付け方
パン粉をつける時は、ただ振りかけるのではなく、しっかりと押し付けることが大切です。
- 具材をパン粉の上に置きます。
- 周りのパン粉を中心に寄せ、具材の上から押し付けてしっかり固定します。
- 余計なパン粉を軽く払い落とします。
この方法は少し手間がかかりますが、具材の端を持ちながら適当にパン粉を振りかけると、固定されずに剥がれやすくなります。
揚げる際の正しい温度設定
揚げ油の温度が低すぎると、衣がしっかりと固まらず、剥がれやすくなります。
適切な温度は中温(170~180度)で、菜箸を油に入れたときに中心から泡が立つ程度が目安です。
菜箸の先から細かい泡が出始める温度(160~170度)も参考になります。
揚げ始めには衣が固まるまで触らずに待ち、材料を一度に多く入れると油の温度が下がるため、少しずつ揚げることをお勧めします。
フライの衣を厚く仕上げるバッター液の活用法
フライの衣を厚く均一にするには、バッター液を使用する方法がおすすめです。
バッター液は小麦粉、卵、水を同量で混ぜ合わせたもので、多くのプロのシェフもこの技法を利用しています。
この方法のメリットは以下の通りです!
バッター液の正しい使い方
以下に、バッター液を使ったフライの衣の付け方を説明します。
- まず、ボウルに卵、小麦粉、水(または料理酒)を入れ、しっかりと混ぜ合わせます。具体的な分量としては、卵1個、小麦粉は大さじ8(約72g)、水や料理酒は大さじ5(75ml)を目安にします。料理酒を使用すると揚げる際に不要な水分が飛びやすくなり、仕上がりがさらにサクサクになります。料理酒がなければ、水や牛乳で代用も可能です。
- 具材に最初にバッター液を均等に塗布し、その後でパン粉をまぶします。より効果的にバッター液を具材に付けるためには、最初に小麦粉を薄くまぶすことが推奨されます。
- さらに衣を厚くしたい場合は、再びバッター液に浸してからパン粉をまぶすという工程を繰り返します。この手順を重ねることで、より厚みのあるクリスピーな衣を実現できます。
通常の卵液を使ってフライの衣を厚くする方法
- まず、具材に小麦粉を薄くまぶし、余分な粉は軽く叩いて落とします。
- 次に、卵をボウルに割り入れて軽くかき混ぜ、約1/2カップの牛乳を加えてよく混ぜ合わせます。この卵液に先ほどの具材を浸します。牛乳を加えるのは、卵液の量を増やし、より厚みのある衣を形成するためですが、厚い衣が不要な場合は牛乳の追加は不要です。
- この卵液と小麦粉の工程を数回繰り返し、具材にしっかりと衣をつけます。
- 最後に、均一にパン粉をまぶして衣を完成させます。
まとめ
- 小麦粉の使用:具材に小麦粉を薄くまぶし、余分な粉は叩いて落とすことで衣が剥がれるのを防ぎます。
- 卵液の活用:卵液に牛乳を加えて量を増やすことで、より厚みのある衣が作れます。ただし、衣が厚くなくても良い場合は牛乳の追加は不要です。
- バッター液の利点:バッター液(小麦粉、卵、水を同量で混ぜたもの)を使用すると、衣が油を吸収しにくくなり、サクサクの食感を実現できます。
- パン粉の付け方:パン粉をしっかりと押し付けることで、衣が剥がれにくくなります。具材をパン粉に沈め、周囲のパン粉を集めて押し付けると良いです。
- 適切な揚げ温度:揚げ油の温度が低すぎると衣が固まらず、剥がれやすくなるため、適切な温度(160~180度)で揚げることが重要です。揚げ始めは具材に触らず、色がついてから動かすと良いです。
- 二度付けの技法:特にバッター液を使った場合、衣を一度付けてから再度バッター液とパン粉でコーティングすることで、より厚い衣が得られます。
自宅で市販のような厚いフライの衣を作るのは、一つの挑戦かもしれません。
市販のフライは時に中身が薄く、衣だけが目立つものもありますが、実際にはサクサクとして美味しい衣が特徴のものが多いです。
バッター液を使用して二度衣をつけたり、パン粉をしっかりと押し付けたりする技術、そして適切な油温で揚げることが、理想的なフライを作る鍵となります。