返信用封筒の扱い方!「行」の削除と封印の記載について紹介

返信用封筒を使用する際には、多くの場合、封筒に記載された「行」という文字を削除し、その場所に「様」または「御中」と新たに記入する必要があります。

この記事では、次の内容について詳しく説明します。

・「行」の文字を消す際に、縦向き、横向き、または斜めの二重線をどのように使い分けるか。
・縦書きと横書きそれぞれの文字消去方法。
・「様」と「御中」どちらを用いるべきか。
・差出人の名前の書き込みと、封筒の裏面に施す封印の有無について。

返信用封筒の正しい記入方法と封じ方について、書き方の方向を踏まえて解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね!

目次

返信用封筒で「行」の文字を消す方法!縦、横、斜めのどれを選べばいいの?

返信用封筒に書かれている「行」という文字を消去する際は、二重線で消しましょう。

使用する二重線にはいくつかの選択肢があります。

一般的に以下の方法がありますが、正解は一つではありません。

  • 縦書きの場合は縦の線を引き、横書きの場合は横の線で消す。
  • 文字の向きに関わらず、常に横線を使う。
  • 一文字の場合は斜めの線を引き、複数文字の場合は縦書きでは縦線、横書きでは横線を使用する。

視覚的な整合性を考慮すると、文字の流れに合わせた消し方の①が一般的ですが、③の方法を採用している事例も見られます。

私が勤めている会社では、主に③の方法を採用しています。

  • 単一の「行」という文字を消す場合、縦の線だと読みづらいため、より視認性が高い斜めの線を使用する。
  • 複数文字を消す場合、読みづらさが問題なくなるので、縦書きでは縦線、横書きでは横線を使用する。

公式文書では定規を使ってきれいな平行線を引くことが推奨されますが、返信用封筒でも手書きできれいな線を引くように努めることが大切です。

返信用封筒の記入方法!縦書きと横書きの違い

返信用封筒を記入する際、縦書きと横書きでは、文字の向きが異なるため、それに合わせた記載方法が求められます。

  • 縦書きでは、上から下に向かって文字を読み進め、列は右から左に移動します。
  • 横書きでは、左から右へと文字を読み進め、次に行を上から下に移っていきます。

「御中」と「様」の正しい使い分け方

宛先が会社・部署などの場合は「御中」を、個人名のときには「様」を使用します。

・法人宛ての場合:○○株式会社 御中
・部署宛ての場合:〇〇株式会社 ××課 御中
・個人宛ての場合:〇〇株式会社 〇〇様
・担当者が不明な場合:〇〇株式会社 ××課 ご担当者様

敬称を重複させないため、個人名が含まれる場合は会社名の後に「御中」を付け加えないよう注意しましょう。

敬称「御中」と「様」の記載位置はどこ?

敬称を記載する場所に厳密なルールはないものの、文字の配置を考慮することで視覚的にも整った印象になります。

  • 縦書きの場合:削除した「行」の文字の左側または下部に敬称を記入します。
  • 横書きの場合:削除した「行」の文字の右側または下部に敬称を追加します。
  • 印章で押された担当者名がある場合は、その名前を消さずに下部(横書きの場合は右側)に「様」を記載します。

既に印章で記入されている担当者の名前を消すことなく、その下部に追記するようにしてくださいね。

担当者の名前を消してしまうのは、相手に失礼にあたりますので、気を付けましょう。

返信用封筒の裏面に差出人名は記入する?

返信用封筒の裏面に差出人情報を記入することは一般的です。

・縦書きの場合、左下に差出人情報を記入し、横書きの場合は右下に記入します。
・ビジネス文書においては、所在地、会社名、部署名、担当者名を詳細に記載します。
・個人の場合は、住所と氏名を記入しますが、内容や相手によっては省略も選択できます。

返信用封筒には通常、宛先が事前に印刷されています。

それゆえ、不達の可能性は低いですが、万が一で相手方に配達されずに返送されることもありえます。

そういった場合には、差出人情報が無いと配達不能時の返送が困難になるため、こちらの住所や氏名はきちんと書いておくといいですね。

ビジネスでは明確に記入することが求められる一方、個人利用では状況に応じて記入を省略しても問題ない場合があります。

社名印刷済みの返信用封筒の適切な取り扱い方

返信用封筒として同封されている封筒に、相手の社名が印刷されていることがあります。

そういった社名入りの封筒の取り扱い方は以下のようにしましょう。

【表面】
・表面にプリントされている会社名や住所は、そのまま使用します。
・決して線を引いて消したり、×印を付けたりするべきではありません。
【裏面】
・裏面には、差出人の住所、氏名、会社名、所在地、部署名、担当者名を記入します。
・個人利用の場合、相手や状況に応じてこれらの情報の記入は省略しても良いです。

社名入りの封筒に「差出人ではない」と明記して消去する行為は、相手に対して失礼とされますので、避けるべきです。

返信用封筒の封印の扱い方

封印部分に「〆」マークを加えると、その封筒は特定の人しか開封できない「親展」扱いとなります。

  • 個人宛ての場合、内容によっては「〆」を加えることもあります。
  • ビジネス文書では、封印に「〆」を加えることは避けるべきです。

企業内では、たとえ宛名が個人名であっても、上層部や特定の役職の人に宛てた場合、秘書や部署のアシスタントが先に開封することが多いです。

「〆」があるとこれが制限され、実務上の不便を招くことがありますので、気を付けましょう。

まとめ

  • 「行」の文字は縦書きなら縦線、横書きなら横線、一文字なら斜め線で消去することが一般的ですが、企業によっては異なる方法を採用しています。
  • 宛先が組織や集団の場合は「御中」を、個人名の場合は「様」を使用。書き方は縦書きなら左または下、横書きなら右または下に敬称を記入します。
  • 表面に印刷された会社名や住所はそのまま使用し、裏面に差出人情報を記入。社名入りの封筒に不要なマークを付けることは避けるべきです。
  • 個人宛ての場合は内容に応じて「〆」を加えることがありますが、ビジネス文書では使用を避けるべきです。上層部や特定役職の人物宛てでも秘書やアシスタントが開封するのが一般的です。
  • 返信用封筒の裏面には、差出人の住所、氏名、会社名、所在地、部署名、担当者名を記入することが一般的。ビジネス文書では明確に、個人利用では相手や状況に応じて省略することが可能です。

「行」を削除したり「様」「御中」を追記する際に確固たるルールはありません。

そのため、文書の流れや一般的なマナーに基づいて対応することが重要です。

正しい方法が一つとは限らず、間違いを特定するのも難しいため、受取人が読みやすく、礼儀正しい対応を心がけることが大切です。

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