お見舞いマナー完全ガイド!適切な金額や封筒の書き方と花の選び方を紹介

友人や親戚、会社の方等が病気や怪我で入院しているとき、どのようにお見舞いをすれば良いのか、迷うこともあるでしょう。

特に、お見舞い金の適切な金額はどれくらいか?

お見舞いのお金の入れ方など、悩む方も多いです。

また、お見舞いに訪れる際には花を持参することが一般的ですが、どの種類の花が適しているのでしょうか?

本記事では、このようなお見舞いの際のマナーについて詳しくご説明しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

お見舞いの際ののし袋表記についての解説

まず、「表書き」とはのし袋の上部に書かれる、贈り物の目的を示す言葉のことです。

お見舞いの際には一般的に「御見舞」または「お見舞」と記入します。

特に注意すべき点は、「お見舞い」という表現が4文字であるため「死」を連想させ、不吉とされることがあるということです。

これについては意見が分かれるかもしれませんが、病気や怪我のある方に対しては避けた方が無難です。

上司や目上の人へのお見舞いの際の注意点

上司や目上の方が病気で入院している場合、通常、現金を渡すのは失礼とされています。

これは、目上の方に対して経済的な困窮を想起させる恐れがあるため、また、見舞いの品を選ぶべき場面でその手間を相手に委ねることになるからです。

ただし、何が必要か不明で現金が最も便利と考えられる場合もあります。

そのような時は、のし袋の表書きに「御見舞」ではなく、「御伺」や「御伺い」と記載し、贈る際には「何が適切か迷いましたが、代わりにこのお見舞いをお使いください」と一言添えるのが礼儀とされています。

お見舞いの際、のし袋に名前をどう書くか

のし袋に名前を記入する場合、下部には贈る人の氏名を記します。

これは受け取る側ではなく、贈る側の名前であることに注意が必要です。

単独で贈る際は比較的シンプルですが、複数人で贈る場合はどのように名前を記入するか迷うことがあります。

夫婦で贈る場合の名前の記入方法

夫婦でお見舞いを贈る際には、夫と妻の名前をどちらも記入するかどうかがしばしば問題となります。

例えば、入院している人が妻の親戚であれば、夫の名前だけではその関係が伝わりにくいかもしれません。

通常は、家族としての贈り物では、家庭の主である夫の名前を記入するのが一般的です。

しかし、贈り物を受ける側が妻の親族であり、夫の名前だけでは繋がりが明らかでない場合には、妻の名前のみを記入することが適切な場合もあります。

企業や団体からのお見舞いの際の名前の書き方

企業や団体から複数人でお見舞いを送る際、名前の記入方法にはいくつか注意点があります。

2名で贈る場合

2名でお見舞いを送る場合は、のし袋の右側に年長者または地位の高い人の名前を記入します。

3名で贈る場合

3名で共同で贈る場合、最も年長者や地位が高い人の名前を中央に記入し、その左右に他の2名の名前を順番に配置します。

最近では、名前が中央に集まるように配置することが多く、視覚的なバランスを考慮しています。

4名以上で贈る場合

4名以上の場合、のし袋に記入できるスペースには限りがあるため、通常は代表者の名前を中央に記載し、その左側に「外一同」や「〇〇部一同」といった表現を加えます。

全員の名前を「社員一同」や「〇〇課一同」としてまとめる方法もありますが、これにより贈った人たちが具体的に誰か分からないことがあります。

大人数の場合は、別紙に名簿を作成し、内袋に同封することも一般的です。

この名簿では、年長者や地位の高い人を右側に配置します。

友人同士での贈る場合

友人同士や同僚間での贈り物の際には、特定の上位者や年長者がいない場合、名前を五十音順に記載するのが望ましいです。

お見舞い時の金額の記入方法

お見舞いの際、お金を入れる封筒に金額を記入する場合は、中袋の表面に金額をはっきりと記し、裏面の左下には贈り主の住所と氏名を記入します。

これは、退院後に感謝の意を示す際に、贈り主の住所が必要となるためです。

金額の記載には、伝統的な漢数字を用い、金額の前には「金」という文字を付け加えます。この措置は金額の改ざんを防ぐために行われます。

金五千円 → 金伍阡円
金一万円 → 金壱萬円

【旧漢数字の一覧】

一 → 壱
二 → 弐
三 → 参
五 → 伍(通常の五でも可)
七 → 七
八 → 八
十 → 拾
万 → 萬
円 → 圓(通常の円でも可)

「也」の付け方について

金額が特に高額の場合、過去には金額の後に「也」と付けることがありました。

これは金額にさらなる単位(銭や厘など)が追加されないようにするための措置です。

しかし、現代ではこれらの単位が使用されないため、「也」を付ける必要はありません。

中袋のない封筒を使用する場合、表面には表書きと氏名を、裏面には住所と金額を記入します。

透けることを防ぐため、現金を白紙で包んでから封筒に入れることが推奨されます。

お見舞い金の相場について

お見舞いに際して、具体的な贈り物を持参するのが一般的ですが、相手の好みが分からない場合は、お見舞い金を渡すこともあります。

この金額は、贈る人と受け取る人との関係性により異なり、親しい家族には多めに、遠い関係の人には少なめに設定するのが通常です。

ここでは、関係性に応じた一般的なお見舞い金の相場を説明します。

家族や親戚へのお見舞い金額

家族や親戚が入院した場合の一般的なお見舞い金額は以下の通りです。

祖父母・両親・兄弟・孫・その他の親戚:5,000円から10,000円

ただし、この金額は地域や家庭によって異なることがありますので、どうすればいいのかわからない時は家族間で相談することをお勧めします。

友人や近所の方へのお見舞い

友人や知人、近所の方にお見舞いをする場合、以下の金額範囲を目安にすることが多いです。

友人・知人・近所の方:3,000円から5,000円

お見舞い金を渡す際には、退院後のお礼の負担を考慮し、適切な金額を選ぶことが大切です。

お見舞い金の半分から三分の一を退院後のお礼として想定します。

もし複数人で共同でお見舞い金を用意する場合は、事前に金額の調整を行うとスムーズです。

職場でのお見舞いの相場について

職場の同僚、上司、部下が入院した際のお見舞い金の相場をご紹介します。

職場によって特定の慣例や規則があるため、お見舞いの前には部門の上司や社内の関係者と相談することが推奨されます。

共同で贈る場合は、一人あたり約3,000円が一般的な相場です。

上司へのお見舞い

上司にお見舞い金を送ることは、適切な場合とそうでない場合があります。

入院中に役に立つ具体的な品物を選ぶべきとされるため、金銭を贈ることは一部で不適切とされることがあります。

品物選びに迷った場合は、社内で相談するのが良いでしょう。

もし金銭を贈る場合は、3,000円から10,000円が妥当な範囲とされています。

部下へのお見舞い

部下へのお見舞い金は、その人の立場に応じて3,000円から5,000円の範囲で設定するのが一般的です。

同僚へのお見舞い

同僚に対しては、過度に高額なお見舞い金を避け、3,000円から5,000円の範囲で調整することが推奨されます。

お見舞いで避けるべき数字

お見舞い金を送る際には、特に縁起を考えて不吉な数字を避けることが重要です。

以下の数字は避けるべきです!

  • 4(「死」を連想させるため)
  • 6(「無」に通じ、終わりを意味するため)
  • 9(「苦」を連想させるため)

また、13は西洋文化においても不吉な数字とされるため、これらの数字はお見舞いの際には使用しない方が良いでしょう。

お見舞いに熨斗紙は適切ではない理由

お見舞いに熨斗紙を使用することは一般的に適切とされていません。

その理由を詳しく説明します。

熨斗紙とは?

熨斗(のし)とは、もともと縁起物として贈り物に添えられた、薄く伸ばしたアワビを指します。

時代が進むにつれて、昆布や紙がアワビの代わりに使用されるようになり、現在では印刷された熨斗紙が一般的です。

熨斗紙は主にお祝いごとに用いられますが、入院の場合は「病気が長引く」と解釈される可能性があるため、縁起が悪いとされており、お見舞いには不向きです。

お見舞いに適した代替品!掛紙(かけがみ)

入院のお見舞いに何を用いればよいのかというと、掛紙が適しています。

掛紙とは、贈答品の上面や前面に掛ける紙のことを指し、熨斗紙と異なり、通常は熨斗が付いていません。

実際には熨斗紙と掛紙が明確に区別されないこともありますが、入院のお見舞いには熨斗がない掛紙を使用することが推奨されます。

お見舞いの際の熨斗紙の正しい表書きと水引の選び方

お見舞いに使う熨斗紙の表書きは以下の通りです。

表書きの方法

上段には、お見舞いの目的を示す言葉を記載します。

「御見舞」: 一般的なお見舞いで使用される表現です。
「お見舞」: より控えめなニュアンスを求める場合に適しています。
「祈 御全快」: 回復を強く願う際に用います。

下段には、贈り主のフルネームを記入します。

特に、同姓の親族が複数で贈る場合は、具体的に誰からのものか識別できるようフルネームでの記載が望ましいです。

水引の選び方

水引の種類と基本

お見舞いに適した水引は「結切」という形式です。

蝶結びは繰り返しを意味するため、お見舞いには使われません。

水引の本数と意味

お見舞いで用いる水引は通常5本です。

これは特定の意味を持たず、形式上の慣例に従うためです。

水引の色の選び方

お見舞いで使用する水引の色は、回復を願う意味を込めて紅白が推奨されます。

黒白の水引は仏事に用いられることが多く、お見舞いには不適切です。

災害見舞いの場合

災害見舞いでは、熨斗や水引を省略した奉書紙を使用することが推奨されます。

これにより、シンプルで控えめな表現が可能です。

お見舞いの際の熨斗紙の正しい包装方法について

お見舞いの際に熨斗紙を使用する正しい包装方法についてご紹介します。

熨斗紙の配置!内のしと外のしの選び方

熨斗紙の配置には、「内のし」と「外のし」の二種類があり、どちらを選ぶかは包装の目的によって異なります。

「内のし」は、比較的控えめに行いたい場合に適しており、自身のための祝い事で贈る内祝いなどに用いられます。

主に目立たせたくない場合に選ばれる方法です。

「外のし」は、贈り物の目的をはっきり示す必要がある場合に適しています。

結婚や出産などの大きなお祝い事に使用され、受け取る人に表書きが明確に見えるようにします。

お見舞いでは、通常は目立たせない「内のし」を使用することが多いですが、地域や個人の習慣によって選択は異なることがあります。

包装の向きについて

お見舞いの包装の向きは、お祝い事と同様の方法で行います。

包装が左右逆になると仏事と見間違えられることがあり、これは縁起が悪いとされています。

そのため、慶事と同じ向きで包むことを心掛けると良いでしょう。

お見舞いに不向きな花の種類

お見舞いに持っていく花には、適した種類と避けるべき種類があります。

どのような花がお見舞いに不向きなのでしょうか?

香りが強すぎる花

入院中の病室は共有スペースであることが多く、強い香りの花は他の患者さんや医療スタッフにとって不快な影響を与えることがあります。

そのため、香りが強い花はお見舞いには向きません。

強い香りの花の例としては、ユリ、スイセン、フリージア、ストックなどが該当します。

縁起の悪い花

縁起が悪いとされる花もお見舞いには不適切です。

例えば、シクラメンは「死」と「苦」を連想させる言葉が名前に含まれているため避けられがちです。

また、椿やチューリップは花が突然落ちることが縁起が悪いとされ、アジサイや菊は枯れる様子や葬式での使用が多いため不適切とされています。

お見舞に適さない花の色

お見舞いに選ぶ花の色も重要です。

通常、哀悼の意を表す白、青、紫などの色は、元気な印象を与えるお見舞いには向きません。

これらの色は避け、代わりに元気を与える明るい黄色やオレンジなどの暖色系を選ぶことをおすすめします。

お見舞いにふさわしい花の形態とは?

お見舞いに持参する花には、鉢植え、花束、プリザーブドフラワーという選択肢がありますが、それぞれに適した使い方があります。

鉢植えはお見舞いに適しているか?

お見舞いに鉢植えを持っていくことは一般的に推奨されていません。

「根付く」という表現が「寝付く」と聞こえるため、病気が長引くという暗示になると考えられています。

このため、鉢植えはお見舞いには避けた方が良いとされています。

花束をお見舞いに持っていく場合

花束は見栄えが良く、華やかですが、受け取る側が花瓶を用意したり、水を替える手間が必要です。

そのため、病人の負担を考えると、花束は必ずしも最適な選択とは言えません。

より手間のかからない選択肢が好まれます。

プリザーブドフラワーはお見舞いに向いているか?

プリザーブドフラワーは、生花の美しさを保ちつつ、水やりの必要がなく、長期間にわたってその状態を保持できるため、お見舞いには特に適しています。

ただし、病室のスペースを考慮し、場所を取らないサイズを選ぶことが重要です。

適切に管理すれば、プリザーブドフラワーは数年間美しさを維持することができます。

まとめ

=お見舞い金の相場=

  • 家族や親戚へのお見舞い金は5,000円から10,000円が一般的。
  • 友人や近所の方へのお見舞い金は3,000円から5,000円が目安。
  • 職場関係者へのお見舞い金は、上司には3,000円から10,000円、部下や同僚には3,000円から5,000円が適切。

=お見舞いの熨斗紙の使い方=

  • 熨斗紙の表書きには「御見舞」、「お見舞」、「祈 御全快」を用いる。
  • 贈り主の名前はフルネームで記載し、誰からの贈り物かを明確にする。
  • お見舞いには「内のし」を使用するのが一般的。

=水引の選び方=

  • お見舞いには「結切」の水引が適している。
  • 水引の色は紅白を選び、黒白は避ける。
  • 災害見舞いでは熨斗や水引を省略した奉書紙を使用する。

=お見舞いに不向きな花=

  • 強い香りの花(例:ユリ、スイセン、フリージア、ストック)は避ける。
  • 縁起の悪い花(例:シクラメン、椿、チューリップ、アジサイ、菊)は避ける。
  • 白、青、紫などの寒色系の花は避け、明るい暖色系の花を選ぶ。

=お見舞いに適した花の形態=

  • 鉢植えは「根付く=寝付く」という連想があるため避ける。
  • 花束は見栄えが良いが、手間がかかるため注意が必要。
  • プリザーブドフラワーは手間がかからず、長持ちするためお見舞いに最適。

これらのポイントを押さえて、適切なお見舞いの準備をしましょう。

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